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執筆者の写真さん しも

【GHW④(11/27)「ひこばえの活動から―里親支援を考える」ワークショップ編 レポート】





こんにちは!グローハッピーのくぼでらです。

吐く息が白く見えて、冬の到来を感じますね。

さて、11月27日(土)は、今年最後のワークショップを開催しました。


今回は、神奈川県で、里親支援をしている矢内陽子さんをお迎えし、里親支援においてどんな関わりを心掛けているか、現場での取り組みや関わり方のアイデアをお聞かせいただきました。

ピアサポートや支援に携わる方にとっては、「ここが聞きたい!」が盛りだくさんの会となりました。


矢内さんは、児相から見える里親家庭像、施設から見える里親家庭像、里親同士から見える里親家庭像と、里親を立体的にとらえて必要な支援を模索し、ひこばえでは里親と児童福祉施設、児童相談所のつながりを強める新しい形の支援を実践していらっしゃいます。

今までとどこが、違うのでしょうか。

神奈川県の里親支援の仕組み、現在までの活動、そこから、支援において大切にしていることをお話しいただきました。


矢内さんが里親支援相談員なったのは、児童福祉施設で里親さんと交流する中で興味をもち、今後の社会的養育の中では重要な役割を果たす方々ではないかという思いからだったそうです。支援の機会があればと思っていた矢先、里親支援相談員の制度(平成元年開始)が始まることになったので、自ら立候補してなったそうです。



■神奈川県の里親支援の仕組みといい関係 


神奈川県には、児童相談所6所管にそれぞれ児童養護施設、里親相談員が三者の連携関係がよい状態が、基盤にあり、里親相談員として、養育経験豊かな里親15名が、里親からの簡易な相談に応じ、児童養育等の助言、指導等の援助を行っています。


里親対応児童福祉司(専任)1名 各所管に配置され、定期的なミーティングが行えるようになってきています。そんななかで、マッチング中の里親のケアもしています。

マッチング中の里親さんは、緊張しているで、例えば、「子どもがこんなで」と、養育にいっぱい、いっぱいになてる里親さんに、児童相談所や、施設の職員が、「子どもなんてそんなもんですよ」と言ってしまうと、里親さんは、受け取りにくいことがあると思います。そこを、同じ目線の里親さんである里親相談員さんが、「あるある(笑 うちもそんなだったわよ」と受け取ってくださると、相談した里親さんもほっとできるってことがあるんです。そう言うことが、大切だなって思っています。児童福祉施設の子に家庭経験をさせる「3日里親」の仕組みもあります。



「まずは、里親さんの声を聞聴く」


ひこばえを立ち上げた時、里親さんのために「何かしてあげよう」と思っていたそうです。しかし、しばらく活動するうちに、それは大間違いだったと気が付いたそうです。

職員が「何かしてあげる」ではなく、里親さんがどんなことに困ってるか、よく聴いていくこと、里親さんが何がしたいのかを知ることなのだと気が付いたそうです。

始めは何をしたらいいのかと思っていた活動が、里親さんの声を聴くと、自然とやることが見えてきたそうです。



「里親支援センター「ひこばえ」らしい活動とは?」


神奈川県には家庭支援センターという里親を支援する活動が既にあり、矢内さんご自身も経験した里親専門相談員さんたちも里親さんのサポートにあたっていました。

そういった支援体制がある中で、「ひこばえ」の役割は何かと考えたそうです。

既に支援の現場で頑張っている職員の邪魔をせず、「ひこばえ」だからできる新たな関わり方を模索する中で、各地でバラバラに開催していた研修会の情報をとりまとめたり、各地区で行われている啓発の活動の「これいいなの情報」を、他の地区で行われている啓発活動で伝えるなど、横のつながり作りを行ってきたそうです。その結果、各所管で、計画が立てやすくなった、運営がスムーズになったとの声をいただいたそうです。


里親のニーズに合わせたサロンも開催し、子どもの入学を控えた里親さんたち向けに「入学前のサロン」や、神奈川県域の里親さんを対象に様々なテーマで開催しているそうです。

自分の地区で同じ悩みを抱えている里親さんがいない、経験者の声が聴きたいという時に、他の地区の里親さんからも話を聞くこともできることで、里親さんにも人気だそうです。



「里親支援において、どんな関わりを心掛けているか」


専門家がたくさんいる施設とは違う里親家庭を、どんな支援が必要なのか、支援の手を届けるためにも、まずは里親さんの声を聴くことを大事にしているそうです。

里親さんの声を聴けば、やることが見えてくる。


もう一つ大事にしていることは、支援をして終わりではなく、里親さんに実感してもらうことだそうです。

「利用してくださいね」と、いくら声をかけても、実際に利用につながるわけではなく、その手前で「相談したいな」と思ってもらえることが大切で、そういった関わりを、ひこばえの職員全員で作ってきたそうです。


実際に経験した上手くいった関わり方や、あの時もっとこうしていれば、、、とご自身が感じているケースについても赤裸々に語っていただき、どんな視点、どんな関わり方、自分の気持ちの持ち方などについても教えて頂きました。



子育て中のスタッフ(支援を受ける側)としては、こんな支援があったらいいなーと感じる関わり方でもあり、ピアサポートを頑張っているスタッフとしては「こうでありたい」と思う、そんな矢内さんのお話でした。

矢内さん、本当にありがとうございました。



今年は、これでグローハッピー・ワークショップは終わりますが、来年も、自分たちが知りたい、学びたいワークショップを企画していきたいと思います。

お楽しみにお持ちいただけたら嬉しいです。


気が早いですが、よいお年をお迎えください。

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