「中野の子どもを中野のみんなで育てよう!」の番外編として、第4回なかのフォーラム「仲間たちの報告会」を開催しました。
コロナ禍において現場ではどのような対応が求められたのか、今回は東京都杉並児童相談所、里親担当 井田康久さんからの報告をお届け致します。
④東京都杉並児童相談所 里親担当 井田康久さん
<養子縁組の状況>
・お母さんも孤立している状況。
・交際していた男性との間の妊娠(妊娠を知って逃げられる等)、風俗の仕事での妊娠という、男性として腹立たしい状況がある。
・コロナ禍の影響で仕事を無くし、貧困で風俗に関わる方も増える可能性がある。
⇒その結果、養子、里子となる子どもも増える可能性がある。
⇒女性を支える支援が必要。
<虐待対応の状況>
・令和元年の虐待相談は、児相 約45,000件、内約21,000件が虐待相談。
・相談経路は、警察が最多。
⇒9,500件
⇒DV・夫婦喧嘩(子どものいる家庭のDVや夫婦喧嘩は心理的虐待)の通告が急増
⇒子どもが危ないときは身柄ごと通告(一時保護所で保護となる)
・過去数年の相談件数から
⇒学校等からの相談が全体に占める比率はそれほど高くない(虐待通告全体に占める比率は約3%)。
⇒警察からの相談はうなぎのぼり
⇒児相の虐待対応の仕事の半分近くが警察
・近隣からの通告(その多くは泣き声、怒鳴り声通告)
⇒約4,500件
⇒189経路で通告増えた。
⇒通りすがりの場面でも相談が寄せられる。
⇒上手く支援につながった場合も課題がある。
★お母さんが頑張って育児しているのに、ちょっと怒鳴ってしまったという状況でいきなり児相がくると、凄くショックを与えてしまう。
★お母さんが虐待しやすいというよりも、お母さんが子どもの面倒みている、お父さんが子どもの面倒みていないということ。
<一時保護>
・2018年の結愛さん、2019年の心愛さん事件の後、一時保護の対応件数増えた。
⇒今年は過去2年間に比べやや減少、落ち着いてきた様子。
・保護者がコロナ陽性で子どもの保護先を探すということもあった。
・相談件数は増え続けているが、コロナの影響の割合を考えるのは難しい。
⇒そもそも虐待対応件数が増えている。
<里親>
・訪問が禁止され、里親家庭と会えない状況があった。
・交流中で、子どもの対応に困っている里親家庭に対しての支援は難しかった。
・2019年の里親、養子縁組家庭の新規登録家庭数は約200件。
⇒今年はその半分。
⇒理由は、研修が実施できない、実習先の施設が対応できない等。
⇒子どもとのマッチングは上手くいくが、交流が上手くいかない例があった。
⇒関係が安定する前にすぐに長期外泊になるが、里親と子どもの関係が不安定になってしまう。
・里親同士の横のつながりがとても大切。
⇒児相の届かない支援を行ってくれている。
以上が東京都杉並児童相談所 里親担当 井田康久さんからの報告でした!
Comments